傀儡師亀崎地区田中組神楽車
演目
傀儡師
製作者(人形師)
不明
製作年
不明
所有の変遷(譲渡を受けた先、時期など)
不明
からくり人形にまつわるエピソード等
生きた竹田からくりの化石とも言われており、古文書にある竹田からくりの傀儡師、船弁慶を再現したものとして、唯一無二の存在である。
上演ストーリー
演技は傀儡師が箱廻しで二体の唐子人形を操る(唐子遊び)ところから始まり、場面転換して船弁慶の物語が始まる。荒れ狂う海に義経、弁慶、船頭の乗る船が木の葉のようにゆれている。行く手に海中より平知盛の幽霊が現れ長刀を振るい、行く手を阻む、義経は太刀で立ち向かおうとするが、弁慶が数珠を持ち祈りをささげ、やがて知盛は海中へ消える。
再び場面転換し傀儡師に戻り、山猫が現れ山車の前に飛び出して終わる。
口上文
琉球の島はめでたい島よ 黄金の枡にてよね計るノーエ
シャノシャノ子供よ シャノシャノ子供よ
花が見たくば吉野へござれ 今は吉野の花盛り
子供来い来い花見ておどろ 花見て踊るはよい小女郎
イキンスイチョ エイチャ スイハイスイフス
スーイハ イソーハイミーチャ ハラギャンソー
オデギャンギャン
まんまるござる まんまるござる
十五夜のお月の輪のごとく
シッタン シッタン シッタンタン
急ぎ御舟を出すべし げにげにこれはことわりなり
いづくもかたきといふ浪の 立さわぎつつ舟子ども
えいやえいやといふ汐に つれて舟をぞ出しける
あら不思議や海上を見れば 西国にて亡びし平家の一類
一門の月卿雲霞の如く 浪にうかみて見えたるぞや
そもそもこれは 桓武天皇九代の後胤 平の知盛ゆうれいなり
あら珍しや如何に義経 思ひも寄らぬうら浪の
声をしるべに出舟の 知盛が沈みしその有様に
また義経をも海に沈めんという浪に
浮かべるなぎなた取り直し
巴浪の絞あたりを払ひ うしををけたて悪風を吹かけ
眼もくらみこころも乱れて 前後を忘ずるばかりなり
その時義経少しもさわがず うち物抜きもちうつつの人に
向ふが如くことばをかわし たたかい給へば
弁慶おしへだて うち物わざにてかなふまじと
数珠さらさらと押しもんで
東方降三世 南方軍荼利夜叉
西方大威徳 北方混合夜叉明王
中央大聖 不動明王のさっくにかけて
祈りいのられ悪霊次第に遠ざかれば
弁慶舟子に力を合わせ 御舟を漕ぎのけ汀によすれば
なお悪霊はしたい来るを おっぱらい祈りのけ
また引く汐にゆられ流れ また引く汐にゆられ流れて
あと白波にぞとなりにける
子供衆 子供衆
悪いことをせまいぞや
悪いことをしたものには
山猫に噛ましょ
スッペラポン