大湯組花王車
山車および山車組データ
建造
昭和2年(1927)
代表彫刻
- 壇箱:「天之岩戸」(初代彫常)
- 脇障子:「神武東征」(初代彫常)
- 持送り:「花王車透かし彫り」(初代彫常)
- 蹴込:「桃太郎凱旋の図」(初代彫常)
- 蟇股:「楠父子の別れ」(初代彫常)
- 懸魚:「竹に虎」(初代彫常)
幕
- 大幕:緋羅紗地の無地
- 追幕:緋羅紗に「大湯組」の文字
- 水引:鶴の刺繍(森高雅下絵)
山車全体写真
彫刻
法被・看板
手拭
補足解説
大湯組は、半田市の西部にあり、西を常滑市、南を武豊町に接する農業地域である。かつて、大湯組の年中行事(お日待ち、月並祭、正月初いさみ、5月苗代いさみ、7月行者いさみ、2月21日紀元節と11月3日明治節の各参拝等)は、青年団と事務所(組長の家)を中心に行われていた。現在はいずれも行われていない。祭礼行事は、祭礼の1ヵ月前からいさみ囃子の稽古がはじまり、1週間ほど前から大湯大池に埋められている車輪を掘り出し、山車を組んだ。祭礼は4月13日~15日の3日間行われ、1日目は、「道かため」として、山車の試し曳きが行われた。必ずしも同炉の修理がなされたわけではない。2日目は「曳き回り」として、山車の町内曳きが行われ、夜は「宵宮」と呼ばれ、山車に提灯を付け、神社に曳きいれた。3日目は、「本祭り」または「本日」として、町内曳きが終日行われた。4日目は「山おろし」、「板洗い」として、山車の解体が行われた。伊勢湾台風による中断後は、祭礼を例年4月の第2土曜日、日曜日の2日間行われるようになった。
花王車の旧車は、亀崎西組の旧車であった。その後、北粕谷へ売却し、昭和2年現在の山車を新造した。
水引幕は、白地に鶴の刺繍で旧車のものを使用した。現在の水引幕は、平成8年3月新調したものである。
彫刻は、初代彫常の段箱「天之岩戸」、脇障子「神武東征」、蹴込「桃太郎凱旋の図」、前山蟇股「楠公父子の別れ」等である。