上半田地区
住吉神社(入水下神社)例祭
2024年4月13日(土)、14日(日)
上半田の祭礼は、「ちんとろ祭り」と呼ばれ、神輿を警護する2輌の山車の町内曳きと住吉神社境内の宮池に2艘の「ちんとろ舟」を浮かべ、その前舞台で、子供三番叟の舞を奉納する。「ちんとろ舟」は津島「天王祭」の「まきわら舟」を文化・文政の頃伝えたといわれる。宵宮には、舟の真柱に12ヵ月を表す12個の提灯その回りに1年365日を表す提灯が半球形に飾られる。
子供三番叟は、北組・南組に別れ、北組「住吉丸(すみよしまる)」、南組「入宮丸(いりみやまる)」において、草笛・鼓・拍子木に合わせ3、4歳から6、7歳の子供が三番叟を舞う。北組の舞は、力強い男三番叟、南組は、優しい女三番叟である。また、顔の化粧や剣先烏帽子の柄も異なる。北組は、男らしくきつい化粧をし、黒字に金の縁取りと4本の横線、真中に太陽を表わす赤丸の烏帽子をかぶる。南組は、女らしく優しい化粧をし、黒字に金の縁取り、月を表わす金丸の烏帽子をかぶる。
半田地方では、各地区の宮本車の前山において、かくれ三人遣いの三番叟人形の舞を神社に奉納する。子供三番叟を奉納する地区は、上半田地区のみである。
「半田市誌 祭礼民俗編」より
見どころ
山車の梶取り
場所:紺屋海道
時間:両日早朝と深夜
凡天を先頭に、団子綱をいっぱいに伸ばした山車は追幕と吹抜きを揺らしながらちょうど一輛分の道幅を民家の外塀ぎりぎりで擦り抜けてゆきます。直角あり、クランクあり、カーブあり、左右の梶方の掛け合いが早神楽と混ざり、独特の雰囲気を醸します。
ちんとろ舟
場所:宮池の西岸
時間:試楽午後6時頃~
宵宮に備え、拝殿より移された種火を元に、全ての提灯を一つずつ灯してゆきます。ゆらゆらと水面に舟影を映し、囃子を奏でながら岸を離れる様は一見の価値あり。
二輛二艘の出会い
場所:宮池の東岸
時間:本楽午前11時半頃~
舟はまきわらと真柱を外し屋形を載せて幔幕が張られ、山車と同じ姿に変わります。道中を上山に乗ってきた三番叟は、山車からここで舟に降ろされます。宮入り前のひととき~上山と吹抜きを高く上げた二輛の山車と二艘の舟。桜並木と赤煉瓦建物が素敵な背景です。
神社
住吉神社(入水下神社)
棟札及び舊記に由れば、往時は入水下天神と稱しが、中古之を住吉神社と稱し、天保九年に至り、官許を得て入水神社に復古せしものの如し。但此事に付尾張志に下の記事あり、参照の為め之を録す。
「本國帳に、愛知郡從三位入水天神、從三位入水下天神とあるを、近頃此の半田村の社とすれ、半田村のあたりは住古より智多郡に属せし地なれば、愛知郡とあるにかなはず云々。」
例祭は元六月十四日、十五日なりしが、中古之を三月十四日、十五日に改め、輓近又之を四月に改む、祭時には住年迄は神輿あり、神官以下供奉して天皇社に至り、同社に一泊し翌日還行せしが、近年これを廃止せり、余興としては文化以前より津島神社の祭典に倣ひ、祭船二艘なりしも、其後南組は山車に改め、北組は依然船なりしが、嘉永五年より北南共に船及車の二個と為れり。
「半田市誌 祭礼民俗編」より